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近年、インターネットの普及によりWeb広告の運用が盛んになっています。2021年にはWeb広告がテレビ・新聞・雑誌・ラジオといったマスコミ4媒体広告の市場規模を上回りました。それに伴い、広告クリエイティブという考え方が重要になってきました。ここでは広告クリエイティブの効果的な戦略などを紹介します。

出典:総務省「第2部 情報通信分野の現状と課題」

広告クリエイティブとは

 

広告クリエイティブとは広告として作成されたすべてのコンテンツを指します。このコンテンツの質は広告の効果に大きな影響を及ぼします。まず、ここでは広告の役割と位置づけを解説します。

広告の役割

広告にはユーザーに商品を買わせるように仕向けたり、ユーザーに企業のことを認知してもらったりと、さまざまな役割があります。それらの役割は大きく以下の3つに大別できます。

  • 情報伝達機能
    ユーザーに企業や商品の優位性・サービスの有用性などの情報を伝達する機能です。
  • 欲望創出機能
    情報の受け手となるユーザーの気分や欲望・思考などを刺激し、ユーザーに買う気を起こさせる機能です。
  • 説得的機能
    買う気になったユーザーがいきなり行動に移すわけではありません。場合によっては買う気はあるものの立ち止まっていることもあるでしょう。その買う気を説得し、実際に行動まで起こさせる機能です。

広告キャンペーンにおける位置づけ

広告キャンペーンとは、特定の目的を達成するために実施される広告の計画と実行のことです。企業やブランドは、製品やサービスの宣伝や販促、顧客の獲得などを目的として、広告キャンペーンを展開します。
広告キャンペーンは普通、複数の媒体にさまざまな形式で広告を出展します。広告キャンペーンを行うときには広告クリエイティブを十分に検討し、目的に沿ったものを出展することが必要となります。
広告キャンペーンを成功させるには広告の出展タイミングや出展期間、出展する媒体などさまざまな要素を考慮して、適切に設定する必要がありますが、中でも広告クリエイティブはユーザーと直接インタラクティブするものであり、重要度が高い要素と言えるでしょう。

広告クリエイティブの特徴

広告の素材すべてを広告クリエイティブと呼びますが、成功している広告クリエイティブは広告クリエイティブの全量を考えると多くはありません。成功している広告クリエイティブには特徴があります。ここでは成功している広告クリエイティブの特徴を紹介します。

視覚的な魅力

ユーザーが広告を見るとき、ぼんやりと見てもらうのではなく、注意を引きつけるよう最適化することが大切です。そのため、ユーザーの目の動きを推測し、注意が向く方向を予測しましょう。強調するポイントはコントラストを強くすることで視覚的な魅力を与え、ユーザーの注意を引きやすくなります。

■出典:MCDecaux「CREATIVE GUIDELINES OptiX Creative Workshop April 2023 Presentation done for Dubai Tourism」

メッセージの明確さ

広告クリエイティブは情報を伝えるために存在するものです。ある程度の文字は必要不可欠でしょう。しかし、文字が多すぎたり、小さすぎたりするとユーザーに対する魅力は低下してしまいます。文字の効果を高めるためにも、メッセージは正確に、短く伝えるようにし、ユーザーが着目しやすい1点に集中するようにしましょう。

ターゲットオーディエンスへの適合性

すべての性別・年代・思考をカバーした広告を作成することは不可能です。広告を作成する際には必ずターゲットオーディエンスを決めることになります。広告クリエイティブもターゲットオーディエンスの印象に沿ったものを利用するようにしましょう。ターゲットオーディエンスか求めている印象をもった広告を作成することで、広告は注視されやすくなりますし、より多くのオーディエンスを相手に情報を伝えることができます。

広告クリエイティブの考え方

広告クリエイティブを作り上げていくのは大変でさまざまなプロセス・考え方が存在します。例えば、広告クリエイティブを編み出す方法や編み出した広告クリエイティブを実際に広告として使えるようにブラッシュアップしていく方法、などさまざまです。ここでは広告クリエイティブを作成し、一つの広告として作りあげていくためにポイントとなる考え方を紹介します。

アイデア発掘のプロセス

まず広告クリエイティブを作成する段階で重要となるのが、アイデアの発掘です。よりよいアイデアを見つけ出すことで、ブラッシュアップ後にさらに効果的な広告クリエイティブとして利用することが可能です。アイデアを見つけ出すには以下のような方法があります。

・ブレインストーミングの手法

ブレインストーミングとは、複数人でアイデアを自由に出し合い新たな発想を生むことを目指す手法になります。多人数の時間を使うため、コストはかかりますが、その分多くの意見を集めることができます。
特に広告クリエイティブでのアイデアの発掘方法として重要なことは広告にとらわれ過ぎないことです。広告の中には思いがけない視点からアイデアが発掘されることも多々あります。そのため、広告と考えすぎず、ただの1つのコンテンツを生み出すと思って検討を重ねることで、よりよいアイデアを発見しやすくなります。

・マインドマッピング

マインドマッピングとは中心となるキーワードから関連する事柄を繋ぎ合わせて図示していく方法のことです。マインドマッピングを使用することで関連する事柄をなんとかして連想して、紐づけようとするため、発想力が向上したり、事柄を整理したりする力が向上します。発想を重ねていくことでよりよい広告クリエイティブの作成に寄与することができるでしょう。

・競合分析

広告クリエイティブを作成するためには競合分析を行うことも1つの手法と言えます。競合が提供しているサービスにはどのような特徴があり、何に注力した広告を打ち出しているかを検討することで、競合他社との差別化を図ることができます。
競合よりも強みとなるポイントや競合が注力していない点を明確にすることで、ターゲットに伝えたいメッセージをより具体化することができます。

クリエイティブブリーフの作成

クリエイティブブリーフは広告を作る際の設計書です。ターゲットとどのようなコミュニケーションを取っていきたいのか明確にし、それに応じたプランを考えます。クリエイティブブリーフには以下のような点がポイントとなります。

・目的の明確化

クリエイティブブリーフを作成する上でもっともポイントとなるのは、広告を作る目的です。例えば、商品を購入させる、お試しセットを注文してもらう、商品のよいポイントを知ってもらう、など目的はさまざまです。まずは目的を確定させなければ、広告クリエイティブの作成はできないと言えるでしょう。

・ターゲットオーディエンスの特定

目的が決まったらターゲットオーディエンスを決めることも重要です。ターゲットオーディエンスの分析では市場調査やアンケートなどを実施し、ターゲット層の行動を明確化することが重要です。行動を分析することで、ターゲットオーディエンスの思考や関連する趣味などがわかり、より対象を特定しやすくなります。
ターゲットオーディエンスがある程度明確になったらペルソナを作成し、具体的な人物像まで落とし込みましょう。

・主要メッセージの設定

広告に掲載できる文章は限られています。ターゲットオーディエンスに伝えたいメッセージは何か明確に記載できるようにしましょう。主要メッセージには伝えたいことを端的に書くことでターゲットオーディエンスに良い印象を与えられますし、覚えてもらいやすくなるでしょう。

ストーリーテリングの重要性

商品・サービスに物語性を持たせることでターゲットオーディエンスの興味を引きやすくなります。そのため、広告にも体験談やエピソードといったストーリーを持たせることは重要になっています。ここではストーリーテリングについて紹介します。

・効果的なストーリーテリングの要素

効果的なストーリーテリングを作るために欠かせないのが、明確性と必要な情報を盛り込むといった2点です。ターゲットは自分が理解できない情報には興味を示しません。興味を持ってもらうためにもわかりやすく、的確な構成にしましょう。また、明確であっても、必要な情報が入っていなければ広告としては機能していません。必要な情報・伝えたい情報はしっかりと盛り込むようにしましょう。

・感情を引き出す方法

相手に興味を持ってもらう上で、相手の感情を引き出すのはとても重要です。感情は行動を喚起する強力な要因でもあるため、聞き手との強いエンゲージメントが構築しやすくなります。相手に強い感情を持ってもらうためには実体験を交えリアルな構成にすることです。リアルな構成にすることで、共感を呼び、相手の感情を引き出しやすくなります。

・ブランドとの関連性

ストーリーには商品だけでなく、ブランドとの関係性も盛り込みましょう。ターゲットはまず商品に着目しますが、最終的にはその会社がどんな会社なのかにも目が行きます。その時に具体的なブランドのストーリーがあることでターゲットの共感を呼びやすくなります。

まとめ

広告クリエイティブはすべての広告の素材であり、情報伝達機能・欲望創出機能・説得的機能などさまざまな役割を担います。広告には広告を掲載する時間やターゲットなどさまざまな要因がありますが、ターゲットとのコミュニケーションとなる広告クリエイティブは非常に重要なものです。クリエイティブブリーフを作成し、ストーリーを作りあげながら1つ1つのポイントを明確し、よりよいコンテンツを作り上げていくとよいでしょう。

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