Menu
  • En-Ja

【Interview】2024年MVVシンポジウムとエムシードゥコーの活動について

 

2024年6月12日、都市の生活空間を改善することを目的とした革新的なプロジェクトを紹介するイベント「2024 Mieux Vivre en Ville Symposium」が、東京大学で開催されました。本記事では、このイベントの内容とともに、持続可能な目的に対するエムシードゥコー株式会社(以下、「MCD」)の関わりについて、エムシードゥコー株式会社事業開発部部長の猪爪勇斗のインタビューを紹介します。

今日、都市は世界人口の50%を占めており、近い未来には80%にまで達するだろうと言われています。この数字は、特に気候変動という非常事態の中で、都市の生活空間の将来についての疑問を私たちに投げかけています。このような事実を踏まえ、都市の変化に関する国際協力を開始するため、2013年に「Mieux Vivre en Villeシンポジウム」が創設されました。フランス貿易アドバイザーが主催するこの日仏の年次イベントでは、革新的なアイデアや優れた事例が共有されます。また、様々な形のパートナーシップを成功させることで、都市の将来の優先課題について共に考えるための場としても定義されています。2024年版は4つのセッションで構成されました: 

  1. 集団的知性と国際的補完性
  2. 公共スペースの共有
  3. SMART&SEXYの多様性
  4. 日仏対話:国際的キャリア、機会と課題(フランス・イナルコにて現地聴衆を対象に開催されたセッション)


都市や企業で働く複数の講演者が、革新的なプロジェクトを発表しました。また、2nd のセッションでは、アーバンデザイナーのパトリック・ジュアン氏がフランスのJCDecaux社での仕事について語り、デザインがいかに都市の生物多様性をサポートできるかを説明しながら、緑のストリートファニチャのコンセプトを紹介しました。

実のところ、植物はさまざまな方法で都市空間に再導入することができ、この種の取り組みは生態系に多方面から恩恵をもたらすことができるのです。
さらにいえば、JCDecauxグループでは常に、より良い生活空間を開発するという考え方に沿って企業活動を行っています。

  1. まずビジネスモデルとして、広告販売活動を通して運営する実用的なストリートファニチャを都市に提供しています。例えば、バスシェルターやシティインフォメーションパネル(CIP)などが日本全国に設置され、人々の日常生活を向上させることに貢献します。
  2. 第二に、このサービスを完成させるために、さまざまなプレミアム・サービスを提案しています。第一の目的である市民生活の向上に加え、清掃からメンテナンス、さらには公共機関の業務を円滑にするオーダーメイドのセキュリティ機能まで、補完的な機能を備えています。
  3. 第三に、Wi-Fi搭載パネル、充電台、デジタル・インタラクティブ・スクリーン...など、常にユーザーのニーズに応え、独自かつ革新的なサービスを提案しています
  4. 第四に、都市の景観に調和するストリートファニチャをデザインし、街にポジティブな活気をもたらすことに貢献します。
  5. 第五に、より持続可能な社会への進展に伴う先進的なESG戦略を国際的・地域的に展開することを目指しています。JCDecauxグループによって設計されたこのプログラムは、3つの主要テーマで構成されています: 
     A.    より持続可能な居住空間を目指して
      i.    誰もが使える家具とサービスを開発する
      ii.    責任ある屋外広告の推進する
     B.    環境フットプリントの最適化に向けて 
      i.    地球のカーボンニュートラルに積極的に貢献する
      ii.    その他の環境への影響を抑制する
     C.    責任あるビジネス環境を目指して
      i.    雇用主としての責任を果たす
      ii.    倫理的かつ持続可能な事業活動

 

猪爪勇斗
エムシードゥコー株式会社
事業開発部部長

  1. あなた自身とあなたの部門の仕事を紹介していただけますか?
    2006年にMCDに入社し、現在は事業開発部の部長を務めています。私の部署のミッションを一言であらわすと「みなさんにわれわれのサービスを理解してもらい、応援してもらうこと」です。そのため、仏本社ではシティ・リレイションズ(City Relations) という部署名で活動しているのですが、ちょっとわかりづらいので、国内ではその具体的な活動の1つである事業開発が部署名になっています。例えば、ストリートファニチャの1つであるB-Stop®(広告付きバス停上屋)は、本来広告が禁止されている道路上公共空間での広告事業になるので、事業パートナーであるバス事業者はもちろん、道路の管理者、交通の管理者、屋外広告の管理者、地域や住人の方々など、関係する多くの方々の理解をえて、みなさんに応援してもらえないと実現できません。重要なことは、その街に求められているサービスを、その街にあった方法で提供することです。そのサービスのニーズや機能性、そして安全性を確認するため、様々な関係者と多くの協議を重ね、ときには実証実験などを通じて規制緩和を得ることもあります。

    Ndlr:MCDが設立された2000年は、バス停上屋などの道路上施設に大型の広告を添加することは認められていませんでしたが、同社はB-Stop®のビジネスモデルが関係者にもたらすメリットを粘り強く訴え、規制緩和を得ることに成功しました。これにより、MCDはストリートファニチャを設置することができ、市民だけでなく、公的機関や民間団体にもサービスを提供することができるようになりました。
     
  2. MVV2024シンポジウムに参加した理由は?
    私たちは都市の生活に関する最新のイノベーションやアイデアに常に関心をもっています。パートナーが抱えるさまざまな課題を解決したり、その街のニーズにこたえるソリューションのヒントが得られるからです。ESGについて自治体やパートナーの関心も高まるなか、MVVシンポジウムはこのような情報に触れる絶好の機会なので、2018年から参加しています。
     
  3. このイベントの目的とエムシードゥコーの活動をどのように結びつけますか?
    都市空間における豊かさやESGについての関心は年々高まっているので、このイベントで得られた知見をパートナーと共有することもできるし、新しい技術やアイデアを実際にストリートファニチャに搭載したり、新しいサービスとして提供することができるかもしれません。
     
  4. MCDはより良い生活空間の創造に貢献していますか?もしそうなら、どのようにですか?
    そうですね、MCDのサービスはさまざまな側面から生活空間の質の向上に貢献しているのではないでしょうか。まず、定期的に内容がかわる広告が街に季節感や賑わいをもたらしていると思います。屋外広告は景観を害する敵にように見られることもありますが、内容やサイズなど一定のクオリティが保たれるよう適切に運用されることで、街の風景に溶け込みつつ、みなさんに楽しんでもらうことができると思います。広告は古くから存在する非常にプリミティブな経済活動なので、もし広告が全てなくなってしまったら、生活はくすんだつまらないものになってしまうのではないでしょうか。最近は「毎朝バス停で『推し』に会えて嬉しい」という声もよく聞こえてくるようになりました。広告主も嬉しいし、パートナーも我々も嬉しいです。広告は誰かの生活にポジティブな影響を与えることができると信じています。
    私たちのストリートファニチャそのものも生活空間の質の向上に貢献していると思います。疲れたときに一息つけるベンチがあること、熱い夏の日差しから逃げられる屋根があること。これらを数値化して貢献の度合いを示すのは難しいです。でも、もし生活の豊かさがその時々の快適さや気持ちよさの積み重ねの結果であるのなら、バス停がいつもキレイであることや快適にバスを待つことができることは、豊かさの一部であり貢献していると言えるのではないでしょうか。 

もはやライフラインともいえるインターネットに誰でも接続できるよう、USBの充電器やフリーWi-Fiをストリートファニチャに搭載したり、得られた広告料で道路上のゴミ拾いや防犯カメラの設置運営なども行っています。その時代のニーズにあわせて、人々の暮らしや生活がちょっと楽しくて豊かになるサービスを続けていきます。


MCDecaux will continue to develop its network in Japan to improve urban living spaces and will keep innovating for citizens, brands and public partners.

Stay informed by following our social media accounts

Instagram - Linkedin - Facebook - X

For more information, please contact us.

Published in Blog