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最近、街のバス停の雰囲気がちょっと変わったことに、お気づきではありませんか?
従来のバス停は、運行ルートと時刻表が停留所のポールに表示され、風雨を避ける屋根とベンチが設置されている程度の、いわゆる「バス待ちスペース」でしかありませんでした。
広告媒体としても地域の病院や商店の看板掲示に活用されるくらいで、錆びたり傷んだりしてもしばしばそのまま放置され、街の美観を損なう要因となることもまれではありません。
しかし近年、都市部を中心に新しいタイプのバス停が出現しはじめています。
洗練されたデザインと機能を備えたその様子は、あたかも欧米を舞台にしたスタイリッシュな映像作品のワンシーンのようです。
私たちエムシードゥコーは、この先進的な次世代型バスシェルターを含む一連の交通インフラ系広告媒体を「ストリートファニチャ」と呼び、ユーザーや地域社会に対し先進的な提案を行っています。
(左から順に B-STOPⓇ(ビーストップ)/ MALLSCAPEⓇ(モールスケープ) / CIP (CITY INFORMATION PANEL) )
屋外広告の新しいフォーマット、ストリートファニチャ
ストリートファニチャとは、文字通り「ストリートにおける家具のような装置」のことです。
音楽家のエリック・サティは、日常生活を妨げず暮らしの中に無意識に溶け込む音楽のことを「ファニチャ・ミュージック」と形容しました。
同じように、街の景観や雰囲気を阻害することなく、役割機能を十分に果たしながら居心地の良い空間をユーザーに提供することを目指して、設計・開発された広告媒体がストリートファニチャです。
ストリートファニチャにはいくつかの種類があります。
私たちエムシードゥコーでは、次の4つのフォーマットを提供しています。
- 広告パネル付きバスシェルター 「B-STOPⓇ(ビーストップ)」
- シティインフォメーションパネル 「CIP (CITY INFORMATION PANEL)」
- 広告付きシェアサイクル「CYCLOCITY(シクロシティ)」
- ショッピングモール内広告パネル 「MALLSCAPEⓇ(モールスケープ)」
これらのストリートファニチャには、ある共通した特性があります。
それは、広告料による収入を原資とすることで、ユーザーである生活者や自治体、事業者のコストがコスト負担を軽減して、公共的なサービスの提供を実現している点です。
その仕組みを、B-Stop®を例に詳しく紹介してみましょう。
広告パネル付きバスシェルター B-Stop®
広告媒体としてのストリートファニチャは、今後一層の普及が期待されています。
中でも私たちエムシードゥコーが最も力をいれている媒体のひとつが、B-Stop®(広告パネル付きバスシェルター/バス停)と呼ばれる次世代型バス停広告です。
ミニマルな機能美を備えた上屋は手入れが行き届いており、明るく清潔な印象を見る者に与えます。
広告の掲出スペースは、従来のバス停と異なり、所定の位置に大きめに設けました。
上屋のデザインは都市の性格や周囲の環境とマッチするよう、設計に際し十分な配慮がなされます。
ストリートファニチャの理念に合致したクオリティを保つため、広告の表現には一定の制作基準が設けられています。
このバス停設備一式を設置するのに、バスの運行会社や地域自治体は原則として費用の一切を負担する必要がありません。
それだけでなく、清掃メンテナンスや広告出稿を得るための営業活動、関連する許認可取得の手間も必要ないのです。
それらの原資はすべて広告料金で賄われ、もちろんバス待ちの利用者に対しても無償で提供されます。
- バス利用者のメリット:バス待機時の、清潔で快適な環境と情報の提供
- バス事業者のメリット:上屋の整備・維持管理コストの軽減、ユーザー満足度の向上
- 自治体のメリット:都市景観・美観の向上、夜間の照明点灯による防犯効果
- 広告主のメリット:訴求性の高い公道上の空間で、消費者に反復的な訴求が可能
日本には古くから、近江の商人が伝えてきたとされる「三方よし」という商業上の価値尺度があります。
事業は利益の追求のみならず、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の3つのステークホルダーに価値をもたらすことに意義がある、とする思想です。
ストリートファニチャのベースにあるのも、この「三方よし」に通じる考え方と言えます。
売り手…広告媒体を提供する屋外広告販売会社(エムシードゥコー)
買い手…広告を出稿する広告主
世間…公共交通を利用する地域の市民、および自治体
これらすべてがWin-Winの関係で結ばれ、さらに設置工事や清掃メンテナンスの面においても地域の雇用創出をもたらすというメリットも付随するのです。
私たちが提供するフォーマットでは、定期的なメンテナンスに加え、美観や安全性を損ねる要素に対しても迅速に対応することが可能となります。
広告の品質についても、十分な審査の過程を経ることで高水準のクオリティが担保されます。
B-Stop®は現在、日本全国の主要都市をはじめとする多くの街で、高い効果を発揮しつつその数を増やし続けています。
都市案内板パネル CIP (MULTI-FUNCTION CITY INFORMATION PANEL)
B-Stop®の成功についで、いま全国の自治体から注目を集めているのがCIP(CITY INFORMATION PANEL)と名付けられた都市型の案内板パネルです。
CIPは一見してシンプルにデザインされた市街図の表示案内板ですが、USBポートを通じた電力供給やフリーWi-Fi、防犯カメラに防災放送、環境センサーなどさまざまなオプションを装備することが可能で多機能型も展開を進めています。
B-Stop®同様ストリートファニチャのコンセプトに基づき、設置と維持に要する費用は案内板に掲出された広告を原資としており、情報の更新や保全も定期的に行われます。
またデジタルサイネージを活用した広告表示スペースは、災害時や緊急時には公共の情報供給が想定され、地域社会の安全・安心への貢献が期待される媒体です。
2023年5月の時点で全国におよそ190基が展開されています。
広告を活用したシェアサイクル「CYCLOCITY (シクロシティ)」
CYCLOCITYは、平成22年に富山市で初めて本格的に導入されたシステムです。
バスや鉄道など、既存の公共交通機関を補完するラストワンマイルのビークルとして、徐々に期待値があがっています。
システムとしては、複数のステーションにレンタサイクルを留置し、利用者は任意のステーションで借りだし、任意のステーションに返却する形をとります。
観光で街を訪れるユーザーに対しては利便性の高い手軽な移動手段を提供し、地元のユーザーに対しては過度の自動車利用を抑制することで中心市街地への回遊効果を高めます。
これにより渋滞の発生防止や利用者の健康増進、近隣の商業施設や観光拠点の利用促進など、いくつもの効果が相乗的に期待されるものです。
運営の維持、管理についてはステーション間の台数調整や放置対策、自転車のメンテナンスやスマホを利用したシステムの構築など比較的高いコストが見込まれるため、利用(登録)料以外にステーションパネルや、自転車の車体を活用した広告収益で補完する仕組みとなります。
スポーツの試合のように大規模なイベントが執り行われる際には、CYCLOCITYを利用していただくことで周辺施設を巻き込んだ経済波及効果も期待されるところです。
Win-Winの輪の中には、地域経済の共同体も含まれるのです。
ショッピングモール内広告パネル「MALLSCAPEⓇ(モールスケープ)」
MALLSCAPEⓇは、47店舗のSC(イオン系列、イトーヨーカドー系列)において、ネットワーク化された広告媒体を提供しています。
ここでは、SC来館者に情報を提供することで館内イベントの案内や参加促進、テナント店舗への誘導など売上向上に寄与する効果が期待されます。
私たちの調査では、SCに来館されるお客様は既にお買い物モードで来館されているため、MALLSCAPEⓇでの広告表示が店舗への誘導や、購入の促進に有効であることが検証されています。
もちろん、市街地と同じように大量の集客が発生する場所に設置するメディアであることから、災害時や緊急の際の告知、情報提供のツールとしても大きな力を発揮します。
進化を続けるストリートファニチャの可能性
今回の記事では、私たちエムシードゥコーが提供する4種類のストリートファニチャのフォーマットをご照会しました。
これまで述べてきたように、ストリートファニチャは広告の価値を最大限に活用することで、メディアにかかわるユーザー・設置者・自治体・地域社会などのあらゆるステークホルダーに利益をもたらす、広告を中心としたエコシステムです。
欧米では先進的な事例が数多くありますが、わが国ではまだその試みが端緒についたばかりです。
ストリートファニチャは街の中におかれる環境装置のひとつです。
周囲の環境や街の性格、集まる人々のニーズなどにより利用の方法は無限に拡大していきます。
私たちエムシードゥコーはその可能性を追求し、社会に役立つ「三方よし」のストリートファニチャを今後も進化させていこうと考えています。